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呼吸器内科のご紹介   呼吸器外科のご紹介    
 
呼吸器外科のご紹介
 
はじめに

呼吸器外科は、中国地方のがんセンターとして肺がんを中心とした悪性疾患を対象とし、また呼吸器センターの外科部門を担当するため良性疾患を含めた胸部の外科的疾患の手術を幅広く担当しています。地域の中核機関として高いレベルの医療を地域の皆様へ提供できるよう鋭意努めています。現在、そのほとんどの症例で胸腔鏡を使用した内視鏡手術(胸腔鏡手術:VATSバッツ)を行い、できるだけ体への負担を軽くするために徹底した低侵襲手術を心がけています。主な疾患としては、原発性肺癌、転移性肺腫瘍、自然気胸、縦隔腫瘍、悪性胸膜中皮腫などです。年間150例前後の呼吸器外科手術,70から80例の肺がん手術を施行し、これまでに約1000例を越える原発性肺がんの手術を経験しています。原発性肺がんに対する進行度別の治療成績を図に示します。

原発性肺がんに対する病理病期別手術成績(5年生存率)
図 原発性肺がんに対する病理病期別手術成績(5年生存率)
 
当科の特徴
国立病院機構の主幹病院、地域のがんセンターとして、医療の質を担保するために以下の特徴ならびに近年の動向があります。
1. 呼吸器外科専門医機構の基幹施設に選出されています。当院の関連施設として広島県内に呼吸器外科を専門とする4つの総合病院を登録しています。他院からのセカンドオピニオンの依頼をお受けし、ご希望の施設があれば快く情報提供させていただきます。
2. 国内外で研修を終えた呼吸器外科専門医2名が常勤し、そのうち1名は、日本胸部外科指導医、日本呼吸器外科学会指導医、日本外科学会指導医の資格を持っています。
3. 日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の肺がん外科グループの参加施設として登録され、西日本がん研究機構(WJOG)の正会員として質の高い臨床試験へ参加し、これらが開催する会議やセミナーに定期的に出席し最新の情報の収集に努めています。
4. 広島県、呉市の医療行政に関わり、同地域での共通の標準的診療が適確になされるように、地域連携パス(クリニカルパス)の作成、運用のために中心的な役割を果たしています。定期的な地域での講演会、研究会を開催し、地域の呼吸器診療のレベルアップ、情報交換に努めています。
5. 当院敷地内に中国地方では最初の本格的な施設として内視鏡(胸腔鏡)手術トレーニングセンターの研修施設の開設が決定しています。統一されたカリキュラムの下で全国の呼吸器外科医が胸腔鏡手術のトレーニングができるような環境整備することを目指しており、文字通り胸腔鏡手術の中心的病院となることが期待されています。
6. 地域拠点病院として、呼吸器外科手術に関する情報提供に努めています。毎年9月に当院で施行されるメディカルフェスタでは定期的に呉地域のかたがたとの交流を深めており、また2008年には、広島市や西日本がん研究機構(WJOG)が開催した市民公開講座において、「体にやさしい肺がん手術」として、胸腔鏡手術に関する講演をさせていただきました。
診療内容
1. 2008年の症例の内訳を表に示します。肺がん、転移性肺腫瘍が対象疾患として最も多く、縦隔腫瘍、気胸がその後に続く頻度で、この割合はここ数年間同様です。
2. 当科は、担当医だけでなく3人の呼吸器外科医師がチームとして個々の患者様の診療にあたることで医療の質の向上を目指しています。看護師、薬剤師、栄養士、呼吸療法士とともにチーム医療を行っています。
3. 最新の診断機器の導入を心がけています。特に悪性の疾患が疑われる場合にはできるだけPET検査を施行した後に手術に臨むようにしています。さらに縦隔リンパ節の組織診断が必要な症例には縦隔鏡検査を積極的に施行しており、当科の特徴のひとつとなっています。
4. 毎週水曜日の午後には、呼吸器内科診断医、放射線医師、病理医ともに、定期的な合同カンファレンスを開き術前術後の症例について検討を重ねています。肺癌の治療に関してはガイドラインに添った標準治療を選択しますが、標準治療が困難な場合には個々の状況に応じた十分な検討がなされます。その際、腫瘍を完全切除する根治手術が最優先されますが、進行した肺がんの場合には集学的治療を念頭におき術前や術後の抗がん剤治療や放射線治療も考慮されます。
5. 患者様とは必要十分なインフォームド・コンセント(説明と同意)として、原則として外来と手術前日2回にわたって説明させていただいた上で、個々の患者様のご希望に添いながら治療を進める方針をとっています。
6. ほとんどの呼吸器外科の手術でクリニカルパスを導入し、チーム医療の下、合併症の少ない医療の安全性を目指した周術期(術前術後)管理を目指しています。患者様には前もって退院までのスケデュールを記したクリニカルパスを配布しています。例えば、肺がんでは術後6-10日目の退院、縦隔腫瘍では術後4日目の退院、自然気胸では術後4日目の退院を基準としています。
7. 近年、アスベスト暴露により30年から40年後の発生する悪性胸膜中皮腫の患者様は増加し、きわめて治療困難な疾患です。また、若年者の自然気胸の術後再発率は約10%と高く、また女性の月経随伴性気胸のコントロールは困難です。こういった患者様に対して、月曜日には、中非腫外来、木曜日には気胸外来を開設し、一般外来にくわえ特殊外来として対応しています。
 
表 手術対象疾患(2011年)
肺癌 70
転移性肺腫瘍 25
気胸 11
良性肺腫瘍 3
炎症性肺疾患 1
胸腺腫 5
縦隔腫瘍 10
縦隔リンパ節腫大 2
胸膜中皮腫 3
胸膜腫瘍 3
胸壁腫瘍 1
膿胸 4
その他 12
150
 
呼吸器外科の手術方法
高いレベルで手術の質を保ち、同時にもっとも体に優しい手術を施行することをモットーとしています。画像装置の高画質化が年々進み、胸腔鏡手術に要する機器については最先端のものを積極的に導入しています。本年度からはハイビジョンシステムが2台追加装備されます。胸腔鏡手術を行う患者様は年々増加し、見た目の傷の大きさだけでなく、早期の回復、術後の痛みの軽減により入院期間も大幅に短縮されています(写真参照)。肺がんの手術を受けられ、術後1週間以内で退院される患者様も少なくありません。下記に疾患別の主な手術方法を紹介します。
胸腔鏡手術の風景
胸腔鏡手術の風景、手術は3人で施行、中央にモニター
 
1.原発性肺がんに対する手術
完全胸腔鏡下肺葉切除術 (Pure VATS lobectomy ピュアバッツロベクトミー)
進行度IA期(リンパ節転移のない3cm以下)の原発性肺がんに対する根治手術です。縦隔リンパ節郭清術も同時に施行します。胸腔鏡により胸腔内の画像を鮮明にモニターで確認できるようになり、開胸創は格段に小さくなりました。皮膚の切開はわずかに2-4cm程度の最新で最も体に優しい手術です(写真参照)。現在までに100例以上の症例の経験を積んでおり、そのメリットを表に示します。術者はモニター画像だけを見て手術を遂行するため、肋骨と肋骨を開く操作はしない手術です。そのため胸部外科では術後に生じる胸痛(術後創部痛、または肋間神経痛)が長年問題となっていましたが、この術式により大幅に改善されました。
左肺がんに対するPure VATS lobectomy術後の傷の状態
医療関係者の方は、会員登録してhttp://www.cslsurgery.com/login.htmlのサイトから本術式のVTRを見ることが出来ます。
 
表 開胸手術と胸腔鏡下肺葉切除術の比較
 
従来の開胸手術

胸腔鏡下手術
傷の大きさ 大きく目立つ 2-4cm と小さい
美容的 劣る きれい
術後の痛み 強い 軽い
手術侵襲 大きい 呼吸機能の回復早い
術後入院期間 10日から2週間 5−6日
出血量 200g以下 100g以下
手術時間 2-3時間 3-4時間
緊急時の対応 迅速に対応 時間がかかる
開胸移行 5%前後
 
胸腔鏡補助下手術 (Hybrid VATS lobectomy ハイブリッドバッツロベクトミー)
進行度IB期以降の肺がんに施行される低侵襲性を目指した根治術です。やはり縦隔リンパ節郭清術も同時に施行します。従来30cmほどの開胸創により行われた手術も、現在はほとんどの症例が5cmから12cmの開胸創により手術が無理なく行われております(写真参照)。小さな傷から視野を確保しますが、必要に応じてモニターを見て手術します。腋の下を切開した場合には、術後の傷は立位ではほとんど目立ちません(写真3参照)。
(写真3)右肺がんに対するHybrid VATS lobectomy術後の傷の状態
 
合併切除を伴う拡大手術、気管支形成術
切除が一見困難に見える症例においても、さまざまな角度から検討し根治手術にチャレンジいたします。進行肺がんでは腫瘍の完全切除のためには周辺臓器や大血管の合併切除が必要な症例や、気管支形成術(気道の再建)が必要な症例には、従来の15-25cm程度の標準開胸手術を行うことがあります。術前に抗がん剤治療や放射線療法を加えてから切除する場合もあります。
胸腔鏡下区域切除術、胸腔鏡下肺部分切除術
肺がんの標準的根治術は肺葉切除ですが、それ以下の小範囲の切除となります。縮小手術として期待され臨床試験が行われています。現在のところは、早期の肺がんやご高齢などリスクが高いなどの症例に限って施行されています。
 
2.転移性肺がんに対する手術
胸腔鏡下肺部分切除術
原発巣がコントロールされ、たとえ両側であっても肺だけの転移巣であれば、できるだけ切除します。
 
3.自然気胸に対する手術
胸腔鏡下ブラ切除術
若年者の再発予防がもっとも大切なテーマです。最も再発危険部位である肺尖部や切離断端の補強を行い、良好な成績を得ています。
 
4.縦隔腫瘍に対する手術
左右の肺の間のスペースで,心臓や血管神経のある部分を縦隔といいます。
縦隔鏡検査(手術)
小さな縦隔腫瘍の切除、縦隔内のリンパ節の病理診断には非常に有用な方法です。短時間で終了し体に優しい手技で、当院では積極的に取り組んでいます。
胸腔鏡下縦隔腫瘍切除術
一般的に低侵襲手術として選択されます。
胸骨縦切開縦隔腫瘍切除術
心臓の手術のように胸骨を切開する術式で、縦隔の悪性腫瘍や重症筋無力症を合併する胸腺腫に対して施行されます。
 
5.悪性胸膜中皮腫に対する手術
一側胸膜肺全摘術
胸膜ごと片方の肺を全部切除し、同時にリンパ節郭清術を追加する根治手術です。呼吸器外科の中ではもっとも体への負担の大きな手術です。抗がん剤や放射線の併用が必要と考えられています。
 
6.その他の手術
できるだけ胸腔鏡を併用し、胸壁への負担を軽減します。
外傷性血気胸の手術胸壁切除再建術横隔膜切除再建術胸腔鏡下胸部交感神経遮断術 (手嘗多汗症の手術)、漏斗胸の手術、などの手術が施行しています。
 
周術期呼吸器リハビリについて
呼吸リハビリテーションとは呼吸器の病気によって生じた障害をもつ患者さんに対して、可能な限り機能を回復、あるいは維持させて、患者さん自身が自立できるように継続的に支援していくためのプログラムです。当科では積極的に取り組んでいます。
周術期呼吸器リハビリについて
 
2011年10月12日中国新聞に掲載されました
2011年10月12日中国新聞
 
2010〜2011年の研究実績
論文(筆頭のみ)
1. Y Yamashita: Video-assisted thoracic surgery lobectomy for lung cancer: the point at issue. General Thoracic and Cardiovascular Surgery(2011.03)
2. M Ito, Y Yamashita, H Harada, K Omori :Unilateral absence of the left pulmonary artery accompanied by right lung cancer., Ann Thorac Surg. 2010 July;90(1) :e6-8
3. 原田洋明: 高齢者肺がん手術における高用量BCAA投与を併用した術前呼吸リハビリテーションの試み 外科と代謝・栄養(0389-5564)45巻2号 Page85-88(2011.04)
4. 原田洋明: 胃癌切除後に異時性に発生した肝転移、両側肺転移を切除した1例, 胸部外科(0021-5252)63巻12号 Page1094-1097(2010.11)
 
スタッフ紹介
氏名 職名・免許取得 専門医、認定医等 得意とする分野 PHOTO
ヤマシタ ヨシノリ
山下 芳典
科長
昭和57年
呼吸器外科専門医
日本呼吸器外科学会指導医
日本胸部外科学会指導医
日本外科学会指導医・専門医
日本消化器外科学会指導医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本乳癌学会認定医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
日本静脈経腸栄養学会指導医
日本がん治療認定機構暫定教育医
日本呼吸器外科学会 胸腔鏡手術インストラクター
広島大学臨床教授
日赤広島看護大学非常勤講師
肺がん、自然気胸、縦隔腫瘍
胸腔鏡手術(VATS)
術前後の抗がん剤治療
臨床栄養管理
 
ハラダ ヒロアキ
原田 洋明
医師
平成8年
呼吸器外科専門医
日本胸部外科学会認定医
日本外科学会専門医、認定医
日本がん治療認定機構暫定教育医、認定医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
肺癌CT検診認定医
AHA-BLS, ACLS (アメリカ心臓学会認定救命救急資格)
ICLS (日本救急医学会認定)
JATEC (外傷初期治療) プロバイダー
呼吸器外科一般
胸腔鏡手術(VATS)
縦隔鏡検査(手術)
 
ツボカワ ノリフミ
坪川 典史
医師
平成20年
  呼吸器外科一般  
 
 
外来診療日割表
午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後
山下
(初診)
      原田   山下      

胸膜中皮腫外来

      自然気胸外来   坪川      
★医療の役割分担として、当院は高度医療・急性期医療を担っており、地域医療機関との連携を主眼において医療を行っております。本趣旨をご理解のうえ、 『当院受診の際にはかかりつけ医からの紹介状のご持参』 、 『当院での高度及び急性期医療が終了した段階での地域の先生方へのご紹介』 へのご協力をお願いいたします。
セカンドオピニオンを完全予約制でおこなっております。ご希望の場合は事前に 地域医療連携室までご連絡ください。
※休診の場合がございますので こちらでご確認ください。
総合内科 腎臓内科 内分泌・糖尿病内科 血液内科 放射線腫瘍科
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消化器内科 消化器外科 乳腺外科 整形外科 呉人工関節センター
神経内科 脳神経外科 精神科(心療内科) 眼科 耳鼻いんこう科
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小児外科 産科 婦人科 歯科・歯科口腔外科 リハビリテーション
緩和ケア 救命救急センター      
 
 
 
 
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